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2006年12月29日 (金)

四国旅行1日目・高知辺境を行く

 四国旅行の1日目です。例によって誤変換等の校正はできていませんのでその辺はご容赦ください。

 それではどうぞ。

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 「バターン」

 あぁ、またやっているよ・・・。

 簡易リクライニングシートの跳ね戻るやかましい音で目が覚める。

 時刻は午前6時30分。

 ムーンライト高知は繁藤駅を通過、ついで新改駅のホームへの引き込み線を右手に見つつ高知駅に向かって最後の力走をしている。窓の外は未だ暗いが昨夜からの冷え込みで雪が降ったのかうっすらと白くなっている。

 土佐山田の手前あたりでようやく夜も開ける。そして高知駅に定刻7時13分に到着した。

 今回の旅の目的は四国に残った未乗路線の全てを片付けること。まずは土佐電気鉄道からである。
 ちょうど2年前の年末にもたまたまML高知の切符が取れてしまったことから一度やってきてちょうどはりまや橋から東はすべて乗車しているのではりまや橋~いの間に乗車する必要がある。

 駅の目の前にその土佐電気鉄道の電停がある。実のところ現在進められているJR高知駅の高架工事が完成した暁には線路が延長され高架下に新たな高知駅前電停ができるそうなのでいずれまた乗りなおしに来る必要性があるのだが今は考えないでおこう。

 朝食をとりたいところだが駅前にはコンビニ一つすらない。無論松屋とか吉野家もない。なんて地方都市だ!!
 致し方なくはりまや橋方面に歩き出す。距離も知れているしいくらなんでもコンビニくらい見つかるだろうし。

 結局はりまや橋直前にローソンを発見。そこで食料を仕入れはりまや橋電停へ行きちょうどやってきたいの行に乗車。多くの列車が途中の鏡川橋電停で乗り換えが必要になるのだがこれはラッキー。

 動き出し交差点反対側の電停に近づくとアナウンスが流れる。
 「次ははりまや橋、はりまや橋」

 あ、あれっ?いま乗り込んだ電停は一体何?
 あわてて車内の案内図を確認するとどうやら交差点の東側が「デンテツターミナルビル前」、西側が「はりまや橋」らしい。ということは今まで御免線を完乗していたというのは勘違いということになる。
 もっとも気がついた瞬間に車両ははりまや橋電停に滑り込みどのみち完乗になったのだが。
 前回乗った御免線は比較的半専用軌道的な部分が多かったのだが伊野線は完全併用軌道となっているようだ。もっとも途中から様相が一変するのだが。
 土佐電の常として駅間は非常に短くこまめに停車しながら西へ進む。
 しばらくすると赤い車両が見えてくる。
 どこかで見た?・・・あ、名鉄590形だ!!

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 昨年(2005年)まで名鉄の600V区間で使用されていた車両で、770・780・800形といった新型車両はあっさり引き取り手が見つかったものの旧型車両は軒並みお釈迦にされてしまった中で唯一引き取られていった幸運な車両である。
 591号が行った直後に592号とすれ違う。パンタが換装されているようだが車号も名鉄フォントのまま、車体も名鉄スカーレットのままで元気に走っているようで何よりである。

 そして鏡川橋電停に到着。ここから先は単線になり多くの列車はここで引き返す。
 しばし停車の後出発する。

 左に大きく曲がり鏡川を渡る。3本の橋梁がかけられており、車の伊野方面、土佐電、車の高知方面とそれぞればらばらにされている。
 橋を渡って地点で再び右に大きくカーブして瞬時専用軌道になるもすぐに併用軌道になる。

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 いきなりめちゃくちゃ狭い道に併用軌道がひかれている。道幅は車が一車線分、線路が一車線分ときわめて狭い。車はこちらが接近しているにもかかわらずぎりぎりにならないとよけないというアグレッシブな(笑
)運転を平気でしている。
 をををを、来た来たーっ。これぞ併用軌道の醍醐味です(笑)。
 ついでに道路の片隅に行き違いができる信号場があったり、電停が岐阜市内線を彷彿とさせる安全地帯無しのペイントされているだけだったり・・・・。

 イイ、スゴクイイィィィィ(笑)。

 まだまだ、ここにはもう一つすごくいい光景が見れる。

 朝倉電停も行き違いができるようになっている。先着したこちらが待機、いの方から来た列車がこちらの前頭部にあわせて停車、窓を開けてスタフの授受が行われる。

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 朝倉電停~八代通電停~いの電停間がそれぞれ一閉塞区間になっておりスタフ閉塞が行われているのだ。

 かつては名鉄美濃町線でも行われていたがもはや軌道線でこの光景が見られるのもここだけでないだろうか。

 スタフを受け取った列車は更に西へ。坂を上り、咥内電停の直上でJR土讃線をアンダークロス、伊野方面へ向かって坂を下って行く。そして先述の通り八代通電停(厳密に言うとその手前の信号場で)スタフを交換し、枝川からは土讃線と併走して終点へ。
 JR伊野駅前の伊野駅前電停からなぜか100mくらい西にあるいの電停が本当の終着駅である。
 線路の終着点の線路の上には電気屋さんがありそこのトラックが線路上に堂々と駐車されているのがちょっとヘン。

 これで土佐電気鉄道は完乗、更に西へ向かう・・・が。次の乗車予定の窪川行の普通列車が来るまで時間があるので一度高知へ引き返す。その方が座れる可能性が高いだろうし。
 ちょうどおあつらえ向きに伊野始発高知行という普通列車が入線している。キハ54形とキハ58系の併結4両編成。普段は高知から伊野まで通勤・通学用に短距離輸送普通列車使用されている列車の折り返し運用なのではないだろうか。

 所要時間はちょうど30分ほど。うつらうつらしているとすぐに高知に到着。
 次の窪川行はすでに入線している。慌てて乗り込むとどうにか一箇所だけボックスシートが丸々空いていたので確保。海と反対側だがどうせ窪川まではほとんど海は見えないので良いだろう。
 しかし1000形で良かった・・・。これがキハ32とか54だったらもう地獄・・・。

 列車は定刻9時29分出発。車内は座席はほとんど埋まっている。
 窪川まではおおよそ2時間。一度乗っている区間でもあるので遠慮なく寝る。昨夜寝不足気味なのでいくらでも寝れる。気がつけば土佐久礼のあたりだった。

 窪川に到着、乗っていた乗客は三々五々散って行く。幸か不幸か中村方面へ乗り継いだ乗客は2~3人程度だった。

 さて次の未乗区間、土佐くろしお鉄道の中村線にとりかかる。路線としては中村から先の宿毛線と一体化しているがこの路線がここまで未乗だったのはわけがある。
 人が来ようと計画を立てると天災で線路が分断されたり突撃事故で運休区間が発生したりしたから。
 全くてこずらせやがって(笑)。それも今日明日でようやく終わらせられる。

 30分ほどの待ち時間の後に12時16分にようやく出発。ちなみに極端に偏ったダイヤのためこの普通列車の前は午前8時台、その次は15時台となる。たまたま接続が良かったために今回は楽をできたが前回窪川まで来たときは特急に乗る羽目になったなぁ・・・。

 若井駅に停車し、川奥信号場へ。前回は一時停車したが今回はノンストップで右手のトンネルに突入。ここからループ線に入って行く。もっともほとんどトンネルの中で済んでしまうため実に面白くないのだが。とりあえず車両の前に行って前を眺めるとひたすら右に回っている事はわかった。

 トンネルを抜けしばらく山間を走る。土佐佐賀駅を出たあたりからひたすら左に太平洋を眺める。幸いにして少し雲はあるがよい天気で日差しがむしろ暑いくらいである。

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 途中「海の王迎」という駅があった。何でこんな名前がついたのだろうか?

 ちょうど一時間で中村駅に到着。時間はまだ昼過ぎだが今日の乗り潰しはこれにて終了。

 ここからがんばって足摺岬まで向かう。バスで片道2時間近くかかるのだが・・・。

 出発までの待ち時間に駅前のコンビニで食料を仕入れて駅の待合室であわててかきこむ。そしてやってきたバスに乗車する。バスはごくごく標準的なミドルサイズのバスだった。

 13時46分、中村駅前を出発。国道56号線から321号線に入りまずは土佐清水を目指す。
 しばらく四万十川の横を走るが山間にはいっていく。

 中村の町は応仁の乱の混乱を避けるために京都から下ってきた土佐一条氏が京都に見立てて街づくりを行ったということで知られている。
 それに伴ってか案内板に「大文字山」という文字が出てきたのでふとそちらを見てみる。
 思わずわが目を疑った。
 確かにそこに大文字があった。

 標高100mにも満たないような小山の側面に。

 をいをい。

 

こ れ は ひ ど い 。

 ちょっとこれは京都に対する挑戦でしょうか?

 バスはあっという間に小山の横を通り過ぎやがて下ノ加江というところから土佐湾に沿って南下して行く。 

 1時間あまりかけてようやく土佐清水市の中心へ到着。一度西に向かい土佐清水バスセンターに入り運転手の交代が行われていよいよ足摺岬に向かう。

 土佐清水港の周縁部をぐるっと周り南下して行く。

 そういえば土佐清水センターを出てからアナウンスが「大浜経由足摺岬行です。」に変わっている。
 大浜ってどこかわからないがとりあえず足摺岬に行くのは間違いないから良いか、と思っているとちょうど行先案内板に大浜の文字が現れる。

 矢印の示す先には・・・・えっ?

 どうみてもその先には一車線しかない道路が見えている。しかも運転手は右ウィンカーを出している。

 まさかあんな道に突っ込むんですか?

 そして本当にそこへ曲がって行くバス。入り口で乗客を一人降ろしさぁ進もうかというところで正面から軽自動車がやってくる。どう見ても離合は不可能。

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 そしていきなりバックする我がバス。をいをい、本当に大丈夫なのか?

 信じられない光景が繰り広げられる。
 ほとんど一車線分しかない上にヘアピンカーブ、とんでもないアップダウン、住民の突撃、路上駐車の車などむちゃくちゃな状況の中平気な顔をして走り抜けるバス。ミニバスなら驚かないがミドルサイズバスですよ。

 どうなっているのかよくわからない(笑)。更に面白いのが運転手が乗客と顔馴染みの為か、乗客を判断して何も言われなくてもちゃんとルート上の自宅前に降ろしていること(後で知ったのだがフリー下車区間という設定があるためにこのような事が可能なようだ)。
 足の弱い年配の乗客には何よりなサービスだろう。欲を言えばローステップバスなら言う事はないのだろうが。

 バスは中浜(なかのはま)という集落を抜けて行く。ここはかのジョン万次郎こと中濱万次郎の出身地。
 万次郎はもともと貧しい漁師の家に生まれ苗字もなかったために幕府の直参として召抱えられた時に出身地を姓にしたそうだが。
 その次に問題の大浜を抜け海沿いの断崖絶壁の上の細い道を走っていく。そして臼碆(うすばえ)という奇妙な地を抜けようやく足摺岬バス停に到着。

 次のバス(終バスでもあるのだが)は17時20分。おおよそ2時間近くある。やや時間をもてあまし気味のような気もするがぶらぶらしていればあっという間だろう。

 展望台に向かうことにする。バス停のすぐ脇に四国八十八箇所の金剛福寺がある。こんな難儀なところに寺があるというのは半ば嫌がらせか観光業者のためだろうかと思わず考えてしまうがそれは勘ぐりすぎというものだろう。

 展望台に上がる。さして距離はなくすぐに到達できた。
 ほぼ前面に広がる太平洋の眺望がすばらしい!!

 加えてちょうど夕刻に差し掛かり陽が傾き海面に反射してなんともいえない風景となっている。

 まだすこし日が高いが後1時間も粘ればもう少しきれいになるだろう。それまで周りをぶらぶらする。

 展望台からも見えている足摺岬灯台へ。

 立ちはだかる「関係者以外お断り」の札。

 やはりとうだいは狭き門だったんですね・・・とつぶやく私は多分ダメな人間でしょう。

 それから先程の金剛福寺へ。境内に大きな池がある変わった配置のお寺。なんなんでしょう?

 ほどよく時間もつぶれ再び展望台へ。

 陽光は赤くなりさらに傾き、えもいわれぬ美しい風景が広がる。水平線近くには雲が広がっているために水平線に沈む夕陽、というわけには行かないのが残念だが致し方ない。

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 日が傾き刻々と変わる光線の状態によって風景は変化して行く。どうあがいても人間が作り出せない美しさがそこにある。太陽が雲に完全に隠れてしまうまでずっと眺め続けていた。

 日が沈むと急速に気温が下がってきたので手袋まで装備してバス停に急ぐ。
 ほどなく中村駅からやってきたバスが現れる。今度はローステップタイプのミドルバス。あ、これもあるのね。

 寒いので早く乗せてもらおうと入ろうと近づくとドアが開けられ運転手さんがほうき片手に掃除中。とりあえず乗り込もうとすると、
 「まだまだ、掃除が終わるまで待って!」
 といわれる。ちょいと面食らう。
 「いやー、寒いので中で待たせてください」といいつつ乗り込むと、
 「そんなん、その辺走って来たらあったかなるわ!!」
 とカウンターパンチを喰らう。
 ぬぬぬ。ややむっとしつつ一番後部に陣取ると、
 「そんなトコいんと一番前に座りや、いろいろ案内したるわ」と言われ強制的に特等席に座らされる。
 別に悪い人ではなさそうである(笑)。

 せっかくなので気になったことを聞いてみる。
 「あの中浜あたりの道はすごいですねぇ。よく運転できますね」と聞くと、

 「あぁ、慣れればなんてことないで」

 と簡潔極まりない返答をいただきました(笑)。

 ついでに
 「普通の車が突っ込んできて事故ったりしないんですか?」
 と聞くと。

 「あぁ、しょっちゅうぶつかってるわ」

 をいをい(涙)。

 「こないだも宅急便の車を避けようとしたらバックミラーをぶっつけてあらぬ方向向いてしまって大変やったわ、さすがに左側が見えへんと困るから鉄の棒つっこんでむりやり直したけど」

 高知西南交通、恐るべし。

 そういや先述の「臼碆」という地名、あれは波の音が臼を引いているような音に聞こえることから来ているとのこと。海釣りの好ポイントでもあり、陸上からかつおやらぶりやらが釣れるとか・・・。

 この運転手さん、老練というかなんというかものすごい運転技術の持ち主で清水バスセンターから北はほとんど常時60キロ運転という(要するにカーブもほとんど減速していない)離れ業をやってのけ(私はいくらなれた山道をいえど定速走行はまず無理)あげく中村駅内のロータリーまで超高速で抜けて、なんとか無事到着。

 ぶっちゃけ途中何度か生きた心地がしなかったんですがね(笑)。

 19時過ぎ、駅前のホテルにチェックインして本日の全予定終了。

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